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道風神社 (京都市北区杉坂) Tofu-jinja Shrine |
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道風神社 | 道風神社 |
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![]() 「小野道風之廟」碑 ![]() 思君橋 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 明王寺跡 ![]() 積翠池 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 拝殿 ![]() 明王堂 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 和香(わこう)水、碑は大江資衡撰 ![]() 近くを流れる杉坂川 ![]() ![]() |
洛北・杉坂に道風神社(とうふう-じんじゃ)はある。「とうふう-さん」「武(たけ)神社」とも呼ばれている。小野道風(おの-の-みちかぜ/とうふう)の書栄達に因み、氏神として当社に祀られたという。一帯の産土神として信仰されてきた。 祭神は小野道風を祀る。 ◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。 平安時代、920年、創建されたともいう。(社伝) 安土・桃山時代、1563年、放火により焼失し、古文書などを失う。 江戸時代、境内の下にあった明王寺の管理下に置かれたという。 ◆小野道風 平安時代前期-中期の貴族・能書家・小野道風(おの-の-みちかぜ/とうふう、894-967/964)。男性。本名は「みちかぜ」、「とうふう」は後世に尊び音読みされた。尾張(愛知県)の生まれ。父・大宰大弐・小野葛絃(くずお)。祖父・漢学者・歌人・小野篁(たかむら)、好古(よしふる)の弟。官途は右衛門少尉、中務省の少内記で、宮中で用いる屏風に書をしたため、公文書の清書などの執務を行う。内蔵権助、右衛門佐、木工頭、正四位下・内蔵頭を歴任した。第60代・醍醐天皇、第61代・朱雀天皇、第62代・村上天皇に仕えた。真跡とされるものに「智証大師諡号勅書」「屏風土代」「玉泉帖」など。『後撰和歌集』に入集。73歳。 書道に優れ、中国の「書聖」・王羲之の書風を基礎とし、平安時代初期の唐様に対し、優雅な和様書風の基礎を築く。書風は「道風様」と呼ばれ、後世「野蹟(やせき)と称された。10世紀頃活躍した「三蹟(ほかに、藤原佐理[すけまさ]、藤原行成))」の一人。村上天皇・朱雀天皇の大嘗会に悠紀主基(ゆきすき)屏風の色紙形(しきしがた)を清書し、願文・上表文の清書・門額揮毫、紫宸殿賢聖障子銘の執筆など行う。朝廷は書を唐に送り国の誉れとした。『源氏物語』の「絵合」に「今めかしう」と評される。平安時代後期、『江談抄』『今昔物語集』に語られる。鎌倉時代に、弘法大師と並び称せられ、江戸時代に、柳に飛びつく蛙を見て書道に精進したという訓話が生まれ、歌舞伎「小野道風青柳硯」にもみえる。 ◆社号 かつて、武明神社、武宮、道風武大明神、瀑ノ社とも称された。 これらの「武」の字とは、この地にあった滝の滝大明神の「タキ」が「タケ」に転訛したことに因むともいう。 また、境内に「和香(わこう)水」が湧水し、和香社とも呼ばれたという。 ◆杉坂八景 かつて「杉坂八景」という呼称があった。季子山(境内裏山)、積翠池、武神祠(本殿)、長公川(杉坂川)、盃瀬井(手洗い場)、明王堂、思君橋、和香水の八景になる。 ◆明王寺 かつて社の下(上宿)に神宮寺の明王寺という寺があり、宮僧の宿舎だったという。小野道風も明王寺で業を修めたとされる。 江戸時代、社はその所管となったという。その後、1869年に廃寺になる。 現在、境内に明王寺跡があり、境内の明王堂には不動明王が祀られている。寺宝の一部は、近くの地蔵院に移されたという。 ◆名水 ◈現在も境内には、「和香(わこう)水」「積翠池」で知られる名水の井戸が残されている。水は、かつて禁中御修法(みしほ)用として献上されていたという。平安時代の第63代・冷泉天皇(950-1011)が御所まで運ばせていたという。以後、歴代天皇がこれに倣った。 ◈小野道風(894-967/964)は、杉坂、産土神の和香社より湧出した雲水を所望し、明王寺で業を修めたという。 水は、硯の水に使うと書道上達するとされた。道風も用い、「道風水」と呼ばれた。道風に倣い人々も研滴としても用いたという。 ◆樹木 ◈境内には、サカキの大木が4本ある。京都市の巨木に指定されている。幹周り1.4m/1.5m、高さ10m以上。ほかにも3本ある。 ◈スギ林がある。 ◆文化財 ◈「道風宮雅録」「道風朝巨画像」。 ◈道風の遺品と伝えられる唐鏡、青い硯、唐筆、硯屏、筆立、卦算、粉状になった着物などがある。 ◈後水尾院御点作朗詠集、霊元法皇御寄附葉菊御紋附幕及提灯など。 ◆年間行事 歳旦祭(1月11日)、秋季例大祭(10月15日)、お火焚まつり(11月3日)。 *年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『京都・山城寺院神社大事典』、『京都大事典』、『京都の寺社505を歩く 下』、『京都隠れた史跡の100選』、『京都 神社と寺院の森』、『京都発見三 洛北の夢』、『昭和京都名所図会 3 洛北』 、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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