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龍岸寺 (京都市下京区)  
Ryugan-ji Temple
龍岸寺 龍岸寺
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本堂

本堂


玄関



本堂、内陣


本堂、阿弥陀如来坐像







納経塔


地蔵尊


【参照】バス停に「三哲」の地名が残る。
 龍岸寺(りゅうがん-じ)は、安土・桃山時代-江戸時代初期の棋士・僧・安井算哲(三哲)を開山にする。
 山号も算哲に因み三哲山という。山門前の東西の通り名も、かつて三哲通(現在は塩小路通)と呼ばれた。
 浄土宗、本尊は阿弥陀仏。
◆歴史年表 江戸時代、1616年/1617年、開山は安井算哲(三哲)による。(寺伝)
 貞享年間(1684-1688)/1684年、その子・渋川春海は初代天文方として江戸に移住した。この時、屋敷跡を現在の本堂として整備した。
 1762年、山門前の通り名(現在の塩小路通/旧三哲通)について、渋川三哲の屋敷(大宮東入町北側)に由来するとある。いまは「立願寺(りゅうがんじ、龍岸寺)」(開基は三哲)という寺があると記されている。(『京町鑑』)
 現代、2014年、24世・池口龍法が住持に就く。
 2018年、11月、「超十夜祭」で、ドローン仏3体による立体的な「極楽来迎図」再現に史上初めて成功した。
◆安井 算哲 安土・桃山時代-江戸時代前期の棋士・僧・安井 算哲(やすい-さんてつ1590?-1652/1648)。男性。三哲、保井算哲、源蓮社長誉三哲。河内(大阪府)の生まれ。清和源氏の出自という。子に渋川春海。双ヶ岡に住んだ。幼少より碁をよくし、11歳で徳川家康に謁し、30石12人扶持を受けた。碁所(ごどころ)になり、以後、駿河で家康の囲碁の相手(御城碁)を務める。19歳で剃髪している。1614年、大坂冬の陣で徳川方東軍に付く。その後、京都に戻る。徳川家棋院四家の一つ、家元安井家の祖になる。
 墓は寂光寺(左京区)にある。
◆渋川 春海 江戸時代前期-中期の天文暦学者・囲碁棋士・神道家・渋川 春海(しぶかわ-はるみ/しゅんかい、1639-1715)。男性。幼名は六蔵、名は都翁(つつち)、字は順正(のぶまさ)、通称は助左衛門、号は新蘆、安井(保井)算哲。京都の生まれ。父・江戸幕府碁方・安井算哲。幼少の頃より天文学に興味を持つ。暦学を岡野井玄貞(げんてい)、池田昌意(まさおき)に学ぶ。数学・暦法、天文暦学、垂加神道を山崎闇斎に、土御門神道を土御門泰福に学んだ。1652年、父没後、家職を継ぐ。幕府碁所に勤め、2代目・算哲と称した。1659年、御城碁に初出仕する。1684年以来、平安時代以来の宣明(せんみょう)暦に代り、自作の大和暦(貞享暦)を作る。西国諸州の緯度を測定し表を立て、天体運行を測定した。中国の授時暦と日本の里差(経度差)を考慮した。3度朝廷に改暦を上奏する。土御門家の反対にあう。土御門泰福との協力により朝廷での採用に成功した。初代幕府天文方になり、以後、渋川家が世襲する。1685年から、大和暦(貞享暦)施行された。1686年より、幕府の命により江戸に移り住む。1689年、本所に天文台用地を与えられた。中国伝来の星座に自ら選定した61座308星を加えた星図「天文成象図」(子昔尹[ひさただ])名で出版する。1702年より、渋川姓を名乗ることを願い出て許された。著『天文瓊統』『日本長暦』など多数。77歳。
 天文・暦学、年代学・古暦を研究し、七曜暦を復興した。渾天儀(こんてんぎ)、天球儀、地球儀、百刻環などを作った。儒学、神道、有職故実に通じた。
 墓は品川東海寺にある。没後、吉田家から土守霊社の諡を贈られた。
◆仏像 ◈ 本堂に「阿弥陀如来坐像」、右に「観音菩薩」、左に「勢至菩薩」が安置されている。
 ◈ 「ドローン仏(ぶつ)」は、仏師・三浦耀山師が、阿弥陀三尊像(阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩)を3Dプリンターで自作した。現代、2018年11月に、龍岸寺での「超十夜祭」で、本堂内でドローン仏3体による立体的な「極楽来迎図」の再現に史上初めて成功した。
 平安中期以降に、浄土信仰に基づいて盛んになった仏画「来迎図(聖衆来迎図)」は、主に、阿弥陀仏が諸菩薩を従え、衆生(念仏者)を極楽浄土に迎えるために人間世界に下降する様を描いている。特に鎌倉時代に多く描かれた。
 2022年には、吉江考史の協力により、プログラミングによるドローン仏10体による編隊飛行を成功させた。2024年にはさらに、ドローン仏12体による編隊飛行を達成した。今後は、阿弥陀如来、二十五菩薩のドローン仏26体による極楽来迎の編隊飛行を目指しているという。
 ドローン仏は、本堂に安置され、事前予約により拝観できる。ドローン仏の堂内飛来は、ガイドツアーへの事前申し込みが必要。
◆建築 ◈ 「本堂」は江戸時代中期、貞享年間(1684-1688)の棟札がある。現代、1989年に屋根を葺替えている。
 ◈ 「庫裡」は、江戸時代中期、享保年間(1716-1736)に建てられた。現代、2016年に瓦屋根に葺替えている。
◆てら*ぱるむす  浄土系アイドル 「てら*ぱるむす 」の活動拠点になっている。現役芸大生らが運営している。
◆年間行事 春季彼岸法要(3月彼岸)、秋季彼岸法要(9月彼岸)、超十夜祭(10月中旬-11月中旬)。


*年間行事(拝観)などは、中止、日時・内容変更の場合があります。
*原則として年号は西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献・資料 ウェブサイト「龍岸寺」、『龍岸寺 2017年秋冬号』、『龍岸寺 2018年春夏号』、『京都大事典』、ウェブサイト「コトバンク」


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map 龍岸寺  〒600-8247 京都市下京区八条坊門町564, 大宮東入ル塩小路通北側   075-371-0370 
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